ロッカーズの聖地
1950年代後半〜1960年代前半の英国、ロンドンで巻き起こった
”ロッカーズ”と呼ばれる若者たちによる一大ムーブメント。
その中心地であり聖地ともなったのが、当時24時間営業だった ” ACE CAFE LONDON(エースカフェ ロンドン)”です。
アメリカのロックスタイルに影響を受け、髪型はリーゼント、黒のライダースジャケットにエースカフェのワッペンや缶バッジを付け、
ロックンロールやロカビリーなどの音楽に酔いしれる。
そのような若者たちをロッカーズと呼ぶようになりました。
労働者階級であった彼らは車よりも安価なバイクを移動手段として選び、
自ら改造したTRIUMPHやBSA、NORTONといったバイクでエースカフェに乗り付けるようになります。
そこでは、ジュークボックスでロックンロールを流している間、
互いのスピードを競うという違法な公道レースが夜な夜な行われ、若者たちを夢中にさせていました。
ファッションや音楽など、ロッカーズカルチャーの象徴としてエースカフェには数多くの若者が集まるようになったのです。
カフェレーサーカスタムの誕生
彼らは誰よりも速く走れるよう、TTレースやGPレースで活躍していたファクトリー・レーサーをまねし、愛車にカスタムを施しました。
純正の状態からできるかぎり不要な物を取り外して軽量化したり、
細長いタンクにソロシートを装着し、クリップオンのセパレートハンドルとバックステップ化で、
ライディングポジションを低くし空気抵抗を軽減させたりすることでよりスピードを追求したのです。
このようなロッカーズたちが独特の改造をしたバイクは ” カフェレーサー ” と呼ばれ、
現代ではバイクのカスタムスタイルのひとつとして確立されています。
時代の流れとともにエースカフェは1969年にいったん閉鎖してしまいますが、2001年に復活。
音楽やクルマ、バイクなど幅広いジャンルのイベントを開催するカフェとして現在も営業中です。